認めたくないがダニに刺された

生まれたてから一度もダニに刺されたことがなかった。
正確にいうと刺されてたかもしれないが、ダニに刺されたと思ったことはなかった。
今回もそろそろ夏なので蚊に刺されたと思っていた。
気持ちよく寝て朝起きると太ももの内側に赤くプチっと盛り上がった場所、見るからに蚊に刺された状態であるムヒを塗ったら痒みも和らいできた。
次の日も朝起きると二の腕と腰のあたりに痒みが、赤くプチっと刺されていた。
どちらの日も寝るまでにはなかった虫刺されの跡である。部屋の中には蚊はいない。こんなことが何日か続いた。
状況証拠が次々に積み重ねられていく、刺されたと騒いでいるのは私だけ、旦那は別の布団に寝ているので刺されていないようだった。ついに検索窓に「ダニ　布団」と入力した。
画像検索で刺された跡を比べてみた。
最初に刺されてから2週間、ダニに刺されたという結論を出した。
そこからの行動は早かった。シーツを全て洗い、ダニ用スプレーを買ってきて、スプレーした後にはダイソンでマットレスを吸い取る。これで安心して明日は寝られるはずと信じて。
次の日の朝起きると、新しい虫刺され後はなかった。
体を張ってダニに刺されていたことを証明してしまった。
ダニなんて不潔な万年床で発生するものだと思っていた。ホームセンターでダニ用スプレーを買ったのだが、ダニ対策のスペースが意外にも広く、スプレーの種類も豊富なことに胸をなでおろした。蚊、ゴキブリに並ぶメジャーな害虫のようだ。
実家で暮らしていた時には母が晴れた日に布団を干してくれていたのでダニと出会うことがなかったとしよう。今のマットレスは過去6年間くらい使っているが、今年が初めてのダニスプレーだ。今までとお手入れの頻度もやり方も特に変えていない。
今年変わったことといえば異常気象のせいで世界が熱くなったことと、娘が生まれたことくらい。いや、娘が生まれてベビーベッドを狭い部屋に入れるために寝室のレイアウト変更もした。大人のベッドを窓際に移したので湿気を受けやすくなったのかもしれない。
ダニスプレーのおかげで安眠を取り戻すことができたが、スプレーの効き目は1ヶ月で切れるらしい。またその時にプチプチ刺され始めたら今度は真っ先にダニを疑うことになるだろう。
ダニなんてずっと他人事だと思っていたかった。
ダニと出会う前に戻りたい。子供達には「実家ではダニが出なかった」と思ってもらえるようにダニスプレーを隠して、誰かが刺されたらこっそり対策しよう。